河原塚徹氏「私のグロースパス ~文学部からネット銀行、老人ホーム、そしてFintechの最前線へ~」

2019年 11月 9日(土)、本プログラムの活動拠点日吉西別館にて、ソニー銀行株式会社タイアップ営業1部/新規事業企画部デジタル企画室シニアマネージャーの河原塚徹氏よりご講演いただきました。

河原塚氏からは、ご自身が文学部を卒業されてから、Fintechの最前線でご活躍されるまでのキャリアパスや、グループでの活動の仕方などをワークショップを交えながらご講演いただきました。

私がご講演の中で特に心に残ったことは二つあります。第一に、自分の仕事観と人生観の関係をきちんと見極めるべしというお話です。これからの社会において変化は加速度的に進展していくことになるということは、キャリアパスもまたそれを打ち立てた瞬間に、社会の在りように対して劣化していくことになる。つまり、人生に関わる決定を何を基準に決断すれば良いのか、より小さなスケールで言えば、AIによって多くの仕事が代替可能となり、消えていくといわれる中で自らのキャリアをどのように描けば良いのか。この大きな難問への1つの回答が、価値観をもとに考えるというご教示であったと考えます。いくら世の中が移り変わり、そして職の在りようが変化すれども、それを決断する「私」、そしてその人生を生きる「私」という存在は変わらず存在することに変わりはなく、であれば、自らの価値観、仕事観や人生観を軸に決断を下し、キャリアを描くということ。そしてできればその両者が矛盾・衝突することなくうまく両立できるように努力していくことこそ、AI化・グローバル化の進展する世の中でのキャリアパスの描き方であるということを教えていただいたように思います。

 そして第二に、紙幅の関係上グループワークの詳細は扱うことができませんが、その中で、想定外が生じた場合に、少なくとも何を基準にその想定外に対処するのかはあらかじめ話し合い決めておくべきだということを学んだように思います。
少し強引ではありますが、この2点の学びをグロースキャリアパスに結びつけると、次のようなことを学べたのではないかと思います。超成熟社会に生きる我々にとって、経済や政治、文化といった社会の構成要素は時代やテクノロジーによって、言うなれば想定外に絶え間なく変化していくものであるように思います。しかし、キャリアを描くとき、我々は通常、外部の環境を観察し、将来を予測し、そこから戦略を立てるように思います。このようなプロセスも当然重要ですが、しかし、将来予測が外れた場合には、その戦略はいわば前提条件を間違えた「誤り」になってしまい、劣化してしまう。だからこそ、予測や戦略それ自体を方向づける大前提に、価値観を据えておくことが重要になると思いました。つまり、他者からは、揺らぎ絶えず変容するように見える個人の価値観は、しかし、自己にとっては確かなものであると同時に、客観的・絶対的な正解がないと同時に間違いであることもない。それゆえに絶え間なく変化する世の中にあって、羅針盤となり、篝火となる価値観を個々人が持つこと、それこそがグロースキャリアパスの真髄なのではないかと考えました。

(Texted by:RA7期生 法学研究科修士2年 小久保 智淳)

河原塚 徹氏
ソニー銀行株式会社
タイアップ営業1部 新規事業企画部デジタル企画室シニアマネージャー