AGC株式会社代表取締役社長 島村琢哉氏
「偉大なリーダーは人の心に灯をともす」

2018年11月10日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館にて、AGC株式会社代表取締役社長の島村琢哉氏よりご講演を賜りました。
島村氏は1980年に慶應義塾大学経済学部をご卒業後、AGC株式会社(旧:旭硝子株式会社)に入社され、営業部員、事業責任者、化学品カンパニープレジデント、電子カンパニープレジデントを経て、2015年1月に取締役社長執行役員に就任され現在に至ります。本公演では「偉大なリーダーは人の心に灯をともす」というタイトルでご自身のキャリアパスで得た経験をもとに今後日本を引っ張っていくことを期待される我々若い世代へのメッセージを熱くお話しいただきました。

講演の冒頭では2018年7月に社名を旭硝子株式会社から変更されたことで記憶に新しいAGC株式会社の概要を説明していただき、ガラス産業のはじまりや創業の精神、大型と小型のガラス両方を手掛けているのは世界でもAGCだけであること、そしてガラスだけでなく電子製品、化学品なども幅広く手掛け多くの製品で世界No.1のシェアを有していることをご紹介いただきました。
島村氏はご講演の中で「人にフォーカスした経営」という言葉を多く使われてきました。これは社長という立場にありながら常に現場で働く社員とのコミュニケーションを取ること。そして成果を給料という形で評価するだけでなく、それによって社員自身が自身の存在価値を確認できるような評価システムを構築されているところを見て、まさに会社で働く人を大切にした「人にフォーカスした経営」だなと思いました。そしてその思想のルーツとなるのが小学校4年生の担任の先生に教えてもらった「一人はみんなのために、みんなはひとりのために」という言葉にあるのがとても印象的でした。

また困難に直面したときには一度、先入観や前提条件などをすべてリセットすること。そして原点に立ち返り「そもそも」から思考を再度積み上げていくことの重要性を語っていただきました。事業の立て直しを図る際にこのような考え方を実際どのように使ったかの例もあげていただき非常にわかりやすくこの概念を理解することができたと思います。

最後に目指すべきリーダー像として支援型のリーダー、ファシリテーターとしてのリーダーが今後必要になってくるということをご教授いただきました。カリスマ型のリーダーは情報が氾濫している現代社会では存在しえない、時代がファシリテーターとしての役割をリーダーに求めている。そのために成果は部下に、責任はリーダーがとるという意識を常にもつこと、常に現場(=お客さんの声)を大切にするために部下の声に耳を傾けることの重要性を教えていただきました。それができるリーダーはきっと島村氏のように仲間の心に灯をともし、ともに大きなことを成し遂げることができるのだと思います。

組織の中に所属する人びとを一人一人大切にしていく姿勢。そして部下を支援し、信頼し、責任はすべて自分がとるという器の大きさは今後の世界を引っ張っていくリーダーにとって重要な姿勢であり、そのことを今回島村氏から学ばせていただきました。また困難に直面したときは常に原点に立ち返る勇気をもつことは、高い専門性を手に入れ、先入観に縛られやすい我々博士課程の学生にとって非常に大切な視点だと思います。今回の講演の熱いメッセージを胸にこれからも自己研磨にはげんでいきたいと思います。

(Texted by:RA7期生 理工学研究科修士1年 中村拓登)

島村 琢哉氏
AGC株式会社代表取締役社長
HP:http://www.agc.com/company/executive/index.html