東京海上ホールディングス株式会社 取締役会長 隅 修三氏 「平時の改革・グローバル化 ~逆風を追い風に~」

2017年10月28日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、東京海上ホールディングス株式会社・取締役会長の隅修三様よりご講演をいただきました。

隅会長からは、ご自身が取り組まれた国内ビジネスプロセスの抜本的改革と大胆な海外展開という2つの経営改革により、東京海上グループがこの10年余りでいかに根本的な変質を遂げたかという観点から、経験談も交えながらお話をいただきました。
隅会長は、改革を進めるにあたって、現場の仕組みから変えていくことを重視されました。それは、上から改革の掛け声をかけるだけでは現場社員の意識は長続きせず、現場の仕組みを変えることで社員の行動の変革に繋がり、行動の変革が考え方を変え、それが最終的に企業文化の変革にまで繋がっていくと考えたからだと仰っていました。

1990年代後半に保険業が自由化されて以降、業界内の競争が激化し、東京海上の社内は閉塞感に覆われるようになりました。隅会長は「このままでは会社は潰れてしまうかもしれない。」との強い危機感から、商品・事務・システムを一体的に改革する国内事業プロセスの抜本的改革に着手されました。業務プロセスをシンプル、スピーディーかつ透明性の高いものに変革していくことで、その後の厳しいマーケット環境下においても高い競争力を維持していくことができたとのことです。また、隅会長は、会社が危機に直面する前の平時から改革に着手することの重要性を強調されていました。

その後、東京海上ホールディングスは、隅会長のリーダーシップの下、グローバル展開を加速します。隅会長からは、M&Aの基本理念として、相手企業が以下の3つの要件を満たしているかどうかを基準にしているとのお話がありました。
1. 健全な経営を行なっている経営陣、チームを有している。
2. 特定の分野に強いビジネスモデルを持っている。
3. 将来の成長が期待できる。
隅会長は、M&Aはゴールではなくスタートであり、買収後も相手企業に最大限の敬意を払い、その企業文化を大切にする姿勢が重要であるとも仰っていました。

最後に隅会長は、integrity(誠実さ、高潔さ)という価値観を大切にし、ご自身の経営判断に際しては、”逃げない”、”ブレない”という姿勢を意識してきたと仰っていました。何が正解かが分からないことが多い経営に対して、真摯に、謙虚に取り組んでいらっしゃる隅会長の姿勢を、我々リーディングプログラムのRAのみならず、多くの学生、社会人が見習うべきだと思いました。

(Texted by: RA6期生 理工学研究科 修士1年 榊原 優真)

隅 修三 氏
東京海上ホールディングス 代表取締役会長
http://www.tokiomarinehd.com