慶應義塾大学 経済学部 津谷典子教授「現代人口と歴史人口–結婚の要因と比較分析」

2017年6月24日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、慶應義塾大学経済学部教授であり、厚生労働省の社会保障審議会の人口部会長など、政府の委員としてもご活躍されている津谷典子様よりご講演をいただきました。

今回は、津谷様のご専門である人口学に関連した内容でご講演をいただきました。超成熟社会の課題について考える我々にとって、人口の問題は特に関心の強いテーマであり、今回のお話は非常に勉強になりました。

津谷様は、シカゴ大学大学院で計量分析法を学ばれていた際、歴史人口のデータに触れ、歴史人口のセミナーを取ったことがきっかけで人口学と出会い、人口学をご専門にされました。また、シカゴ大学大学院では数理統計の必修単位の取得に苦労したけれど、数理統計は年を取ると学ぶことができないうえ、本を読んだだけでは身につかないため、当時やっていてよかったと話され、数理・統計を学生が学ぶことの重要性を伝えてくださいました。

人口学は医学、疫学、経済学、社会学、歴史学、数学など、実に多彩な分野の方の貢献により成り立っており、また、人口は世界規模のテーマであるため、実際に色々な地域に足を運び研究が行われます。津谷様はこれらの人口学の学際的、国際的な側面を、人口学をやっていたよかったこととしてあげられました。

また本講演では、近世と現代の日本における結婚の確率に寄与する要因について、実際の分析結果を示してくださいました。特に、男性は近世、現代のどちらにおいても経済的要因が結婚に与える影響が大きいという結果がとても印象的でした。このような人文・社会科学的な結果に対して、分析においてはCoxの比例ハザードモデルなど、専門的な統計の手法が用いられていました。この分析結果は、人文・社会科学的な素養と数理的な素養があわさったからこそ得られたものであるといえます。

津谷様は文系の素養、理系の素養をあわせもっており、まさに我々、このリーディングプログラムのRAが見習うべき存在であると感じました。津谷様の、英語力をみがき、そして理科系の院生は歴史を含む文科系の教養を、文化系の院生は数理・統計の素養を養う、という言葉を胸に、我々RAは今後の活動に取り組んで参ります。

(Texted by : RA6期生 理工学研究科1年 米山慎太郎)

津谷典子様

慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科 教員紹介
http://www.econ.keio.ac.jp/about/faculty-list#modal_5177

厚生労働省社会保障審議会(人口部会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126704