日本医療研究開発機構・理事長 末松誠氏 「Global data sharing for overcoming Balkanization in medical research」

2016年6月25日(土)、本プログラムの活動拠点日吉西別館にて、独立行政法人日本医療研究開発機構(通称 AMED)理事長の末松誠氏より英語でご講演を頂きました。

末松氏は前慶應義塾大学医学部長であり、教育・研究に加え経営管理の面でも多大な貢献をされてきて、現在は日本版NIHとも呼ばれるAMEDにて日本国における薬や医療関連機器の開発を先導しておられます。本講演では、末松先生が歩んでこられた人生の経験と現在格闘している課題についてユーモアを混じえてお話し頂きました。

このお話しの中では二つの要点が示されており、それらには「これからの日本の組織のあり方を見直すべきだ」というメッセージが込められていました。

一つ目のキーワードがBalkanizationで、この単語を末松先生は「同じ言語を使用しているのに、通じ合わない関係」と定義していました。末松先生がこのことを語る背景には、これまで様々なところでご活躍されてきた中で、足かせとなっていた組織のあり方への違和感があるようです。つまり、それは、同じ組織あるいは同じプロジェクトを推進しているにもかかわらず、予算などの管理体制が一体ではなく、分断されていることが多いという事実です。これは、結局セクションごとに溝があるために、融通性がなく、さらには大きな無駄を生じることがあると語っておられました。

二つ目のキーワードはData Sharingです。ある分野が革命的な進歩を遂げられないのは個人や各組織の私的な事情によりDataが公表されないことに問題があるからだと考えられます。そこで、末松先生はData Sharingは個人や各組織の協力のもとに成り立つが、その達成によって研究における無駄が解消され、研究のスピードもアップし、飛躍につながると主張しています。本講演では、その一例としてAMEDが希少難治性疾患の治療のためにDataを共有することで研究を促進するシステムを構築したお話しを頂きました。

本講演は、これからの時代においては一体型組織の形成やData Sharingがますます重要視されてくることを実感する貴重なものでありました。

(Textedby:RA5期生 薬学研究科修士1年 宮本 佑)

末松 誠 氏
日本医療研究開発機構(AMED) 理事長
日本医療研究開発機構:http://www.amed.go.jp