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2017年度 ウィンターキャンプ

日程:
2017年12月16日(土) ~ 12月17日(日)
場所:
丸紅多摩センター研修所
〒192-0363 東京都八王子市別所2丁目39番2

英語プレゼンテーション ワークショップ セミナー

ファシリテーター:ジョン ドゥモビッチ 先生
Facilitator: Jon Dujmovich (M.A., CELTA)

毎週水曜日、リーディングでは自分の研究分野や研究進捗状況を異分野・異業種の人にわかりやすく英語で発表するプログレスミーティング(Progress Report Meetings)を開催しています。プログレスミーティングの重要な点は、学生は専門外の聴衆に説明することの難しさを実感した上で、学会等とは違う表現で発表することです。

今回のキャンプでは、下記の2点を目指して講師のドゥモビッチ先生にご指導いただきました。

・研究内容を英語で簡潔にわかりやすく伝えるスキルを向上させる。
・自信をもって英語でプレゼンテーションできるようにする。

2日間、ドゥモビッチ先生がファシリテートを行い、RAは3種類の発表方法で英語プレゼンテーションを行いました。また、メンター、教員、修了生によるアドバイスを受けることで、RAは自身のプレゼンテーションの改善点がわかり、スキルアップの良い機会となりました。

政策提言の練習発表と修了生の座談会

2018年2月末に発表するRAが政策提言の発表練習を行い、内容について深く議論することができました。また、修了生との座談会を行い、産業界や省庁での働き方、リーディングプログラムでの経験がどのように活かされているのか等について修了生に尋ね、意見交換を行いました。

ドゥモビッチ先生のレクチャー

ウォーミングアップ・アクティビティ

発表の様子(ポスター形式)

発表の様子

メンター、教員からのコメント

政策提言の発表練習

座談会の様子

集合写真

2017年11月成果発表会(超福祉展・介護いきいきフェア)

2017年11月、認知症プロジェクトに参加するRAがこれまでの進捗や成果を発表しました。

まず、11月8日(水)の『超福祉展』では、リーディングプログラムのRAの他、大学連携先である専修大学、青山学院大学、デルフト工科大学(オランダ)の学生が、認知症に関する問題の着眼点やその解決策を発表しました。本プロジェクトに参加する学生の専門分野は様々であり、多様なアイデアが報告されました。

そして、11月16日(木)の『介護いきいきフェア』では、介護に関心のある地域の方や家族介護者の方々に対して、本プログラムのRAと専修大学の学生が、それぞれの取り組みを紹介しました。短い発表時間でしたが、地域の方にご関心を寄せていただけた貴重な機会となりました。

2018年3月には、行政職員の方を主な対象とした最終成果発表会を予定しています。2年間の取り組みを基に、認知症に関する政策提案を行う予定です。

超福祉展での発表

平尾 美佳
(健康マネジメント研究科・博士課程1年)
『認知症の人もディスコダンスで自分を解き放ち ストレス発散と運動を!』
今給黎 薫弘
(理工学研究科・修士課程2年)
『D-Mark Project~栽培活動による認知症ケア~』
角 晴美子
(経済学研究科・修士課程2年)
『認知症カフェの実態分析および今後の課題』

発表会について

『超福祉展』
開催日:11月8日(水)
主 催:NPO法人ピープルデザイン研究所
場 所:渋谷ヒカリエ

『介護いきいきフェア』
開催日:11月16日(木)
主 催:川崎市認知症ネットワーク、川崎市、社会福祉法人川崎市社会福祉協議会
場 所:高津市民館

Circustances of US Ph.D. students of today in tackling multi-career paths

On Saturday, November 18th, 2017, Prof. David B. Graves gave us a lecture which is entitled “Circumstances of US PhD Students of Today: Tackling Multi-Career Paths” at the Hiyoshi West Annex, the base of this Leading Program. Prof. Graves is currently the Professor of Department of Chemical and Biomolecular Engineering of University of California, Berkeley.

The main point of his lecture was that PhD students should look at boundaries between fields, where multi-fields can overlap and partially merge. Normally, science and engineering PhD students tend to deepen their research topics or to focus on them. As knowledge deepens in the field, researchers often seek to go even deeper, following more esoteric topics for novelty. However, it is important to learn another field in order to make a novel invention or to explore new areas. Prof. Graves explained it with two examples from his own areas of research which is plasma.

Plasma is the general term of natural ionized gas such as lightning, aurora and solar corona. Plasma can also be generated in man-made devices. When plasma reacts with oxygen, nitrogen and water vapor in the air atmosphere, it produces reactive oxygen and nitrogen species (RONS). These are also key immune system species that are generated naturally by the body in response to injury, infection and tumor suppression. These plasma-generated chemical species have recently been used for plasma medical treatment of head and neck cancers, for example. This is an example of research that moves beyond the existing boundaries between physics and bio-chemistry.
Another application of plasma is for agriculture. Fertilizer made from synthetic ammonia (NH3) is essential to feeding the world population, but the nitrogen in fertilizer creates big pollution problems. For example, some of the nitrogen in synthetic fertilizer is eventually lost as pollution to the air when animal waste decomposes to form gaseous ammonia. Plasma-generated nitric acid can be used to trap this ammonia, thereby increasing the nitrogen content of organic fertilizer and at the same time reducing pollution. Currently, the most energy-efficient way of producing ammonia industrially is at high temperature and pressure via the catalytic Haber-Bosch method. The plasma-based approach recycles valuable reactive nitrogen and reduces the need for manufacture of synthetic nitrogen fertilizer. Prof. Graves applies plasma technologies in an attempt to make agriculture more sustainable and less damaging to the environment.

As Prof. Graves explained in his lectures, it is definitely important for us to learn not only our in our major field of study but also in other fields and topics. I am sure that all of our program members were so motivated by his lecture to learn multiple fields from diversified standpoints more than ever.

(By Kentaro Yagi, Enrolled in 2017 Spring, M1, Graduate School of Science and Technology)

Prof. David B. Graves, Department of Chemical and Biomolecular Engineering of University of California, Berkeley.

Department of Chemical and Biomolecular Engineering of University of California, Berkeley official HP
https://chemistry.berkeley.edu/cbe

リーディングフォーラム2017参加報告

10月20日(金)~21日(土)、名古屋マリオットアソシアホテルにて開催された博士課程教育リーディングプログラム フォーラム2017「未来を創る博士人材 未来に受け継ぐ博士課程教育」に本プログラムのRA7名が参加しました。

リーディングフォーラム2017には33大学62プログラムの関係者および産業界、研究機関、行政機関、国際機関、学術機関より1000名以上が参加し、講演やパネルディスカッション、ポスター発表が行われました。

参加した7名のRAは全国から集まった学生と研究やプログラムでの取り組みの話で親睦を深め、産業界をはじめとする方々との意見交換ではプログラム修了後のキャリアについて考えるよい機会となりました。

また、学生ポスター発表では鈴木敬和RAがIndustrial Future Leader Awardを受賞しました。

(Texted by: RA5期生 経済学研究科修士課程2年 池本 駿)

リーディングフォーラム2017 HP:http://www.leading.nagoya-u.ac.jp/LF2017/

10/19(木)

事前討議A

学生による「出口戦略」に関する事前議論
岡野 寿朗
(理工学研究科・修士課程2年)

事前討議B

学生による「ダイバーシティ・マネジメント」
今給黎 薫弘
(理工学研究科・修士課程2年)

10/20(金)

本プログラムを紹介するショートプレゼン

平尾 美佳
(健康マネジメント研究科・博士課程1年)

学生ポスター発表

International Future Leader部門

池本 駿
(経済学研究科・修士課程2年)
『世界中から必要とされるデータサイエンティストに』

Industrial Future Leader部門

石川 貴啓
(商学研究科・副専攻修士課程1年)
『介護福祉ロボット界のリーダーを目指して』
鈴木 敬和
(商学研究科・副専攻修士課程1年)
『リーディングプログラムでの経験をキャリア形成へ活かす』

Academia Future Leader部門

高橋 萌
(理工学研究科・副専攻修士課程1年)
『産学官を架橋するエスノグラファーを目指して』

イーソリューションズ株式会社 代表取締役社長 佐々木 経世氏 『「社会的重要なテーマ」における事業プロデュース』

2017年 11月 11日(土)、本プログラムの活動拠点日吉西別館にて、イーソリューションズ株式会社・代表取締役社長の佐々木経世氏よりご講演を頂きました。

佐々木氏からは、オーケストラの指揮者のように、多くの起業に参加いただきながら行ってきた事業プロデュースに関して、経験談を交えながらお話をいただきました。イーソリューションズ株式会社が行う事業プロデュースは、社会的に重要性が高い「環境」、「エネルギー」、「医療」、「健康」、「食料」等に関して、単にコンサルティングをするのではなく、自ら実践し、社会システムをデザインすることです。ご講演の中では、クールビズに代表される「チーム・マイナス6%」、東日本大震災復興の機運風化防止プロジェクトである「fukushimaさくらプロジェクト」、日本企業のスマートシティ技術を国内外へと展開促進するための「スマートシティプロジェクト」など様々なテーマでご講演頂きました。
その中で、佐々木氏は「全体を俯瞰してデザイン」する事の重要性について強調されていました。金、情報、サービスの流れ、プレイヤーの相関関係を精査していくことで、全体像をつかみ、個々のプレイヤーの立ち位置、為すべきことが明確化するというものです。「全体を俯瞰する」スキルを養う上で、主に下記3点のアドバイスを頂戴いたしました。

1.自分の専門と周りを行き来する事
2.自分と異なる考えや、見方をする人と議論する事
3.仮説をもって、想像、検証、確認し、フィードバックを高速で回す事

その他にも、アイデアの「組み合わせ」の重要性に関しお話いただきました。一つ一つのアイデアは小さいかもしれないが、組み合わせることで、新しい価値を生み出す可能性を秘めていると仰っていました。どんな組み合わせができるのか、日々アンテナを張り、想像、考える事の重要性をご講演いただきました。

佐々木氏からは、リーディングプログラムが有する文理融合MMDプログラムに関し、まさに自身が行ってきた考え方であり、感動したとのお話を頂戴いたしました。複雑で簡単には捉えられない社会課題、多くのプレイヤーが参入している昨今だからこそ、本プログラムの特徴を生かし、多様なバックグランドを有するRA同士が刺激しあうことで、「全体を俯瞰する力」を養っていきたい。

(Texted by:RA6期生 医学研究科博士課程1年 嶋田 光希)

佐々木 経世 氏
イーソリューションズ株式会社・代表取締役社長 HP: http://www.e-solutions.co.jp/

東京海上ホールディングス株式会社 取締役会長 隅 修三氏 「平時の改革・グローバル化 ~逆風を追い風に~」

2017年10月28日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、東京海上ホールディングス株式会社・取締役会長の隅修三様よりご講演をいただきました。

隅会長からは、ご自身が取り組まれた国内ビジネスプロセスの抜本的改革と大胆な海外展開という2つの経営改革により、東京海上グループがこの10年余りでいかに根本的な変質を遂げたかという観点から、経験談も交えながらお話をいただきました。
隅会長は、改革を進めるにあたって、現場の仕組みから変えていくことを重視されました。それは、上から改革の掛け声をかけるだけでは現場社員の意識は長続きせず、現場の仕組みを変えることで社員の行動の変革に繋がり、行動の変革が考え方を変え、それが最終的に企業文化の変革にまで繋がっていくと考えたからだと仰っていました。

1990年代後半に保険業が自由化されて以降、業界内の競争が激化し、東京海上の社内は閉塞感に覆われるようになりました。隅会長は「このままでは会社は潰れてしまうかもしれない。」との強い危機感から、商品・事務・システムを一体的に改革する国内事業プロセスの抜本的改革に着手されました。業務プロセスをシンプル、スピーディーかつ透明性の高いものに変革していくことで、その後の厳しいマーケット環境下においても高い競争力を維持していくことができたとのことです。また、隅会長は、会社が危機に直面する前の平時から改革に着手することの重要性を強調されていました。

その後、東京海上ホールディングスは、隅会長のリーダーシップの下、グローバル展開を加速します。隅会長からは、M&Aの基本理念として、相手企業が以下の3つの要件を満たしているかどうかを基準にしているとのお話がありました。
1. 健全な経営を行なっている経営陣、チームを有している。
2. 特定の分野に強いビジネスモデルを持っている。
3. 将来の成長が期待できる。
隅会長は、M&Aはゴールではなくスタートであり、買収後も相手企業に最大限の敬意を払い、その企業文化を大切にする姿勢が重要であるとも仰っていました。

最後に隅会長は、integrity(誠実さ、高潔さ)という価値観を大切にし、ご自身の経営判断に際しては、”逃げない”、”ブレない”という姿勢を意識してきたと仰っていました。何が正解かが分からないことが多い経営に対して、真摯に、謙虚に取り組んでいらっしゃる隅会長の姿勢を、我々リーディングプログラムのRAのみならず、多くの学生、社会人が見習うべきだと思いました。

(Texted by: RA6期生 理工学研究科 修士1年 榊原 優真)

隅 修三 氏
東京海上ホールディングス 代表取締役会長
http://www.tokiomarinehd.com

株式会社OE Solutions Japan 代表取締役 陶山茂樹氏 「ヒトは失敗(経験)からしか学べない 失敗を恐れず未来へチャレンジ」

2017年10月21日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、陶山茂樹氏よりご講演をいただきました。

陶山氏は大学卒業後にNECに入社、約30年に渡り光通信のプロフェッショナルとして事業部長、研究所支配人、光通信システム事業責任者まで勤められました。そのあと、東京大学総括の寄附講座から、産学連携のベンチャーを立ち上げ、株式会社Digital Gridの代表として活躍なさいました。現在は、株式会社OE Solutions Japan 代表取締役をつとめており、大企業、ベンチャー企業、外資系企業という幅広い組織の中での経験を積まれております。

今回の講演では、『ヒトは失敗(経験)からしか学べない 失敗を恐れず未来へチャレンジ』をテーマに、陶山氏のこれまでの大企業、ベンチャー企業、外資系企業で培ったそれぞれの経験、気づきを基に、お話しいただきました。

通信バブル崩壊、グローバル化、雇用流動化など、様々な社会変動をご自分のキャリアの中で経験し、その度ごとに失敗から学び、様々な困難を乗り越えて来られました。通信ネットワーク容量の供給過剰ゆえに事業が傾き、その際、責任者として学んだことは、事業は実行力であること、誰かの力を借りることができること、そして時代認識力であると語られておりました。またベンチャーではこれまでの職場環境と異なり、立場も違う中、人を雇うことへの責任を学んだそうです。大手企業にはない尖った人材集団のマネジメントの経験は「同じ船に乗れる人で起業せよ」という言葉にまとめられておりました。現在代表取締役を務めている外資系グローバル企業では世界と日本の文化や価値観の違いを感じながらも、日本国内売上を大きく伸ばすなど、結果を残していらっしゃいます。

印象的であったのは、どの企業での経験を話すにも、「人」という言葉を繰り返し使っておられたことです。雇用流動社会を生き抜くためにも、事業を成功に導くのも、逆境を乗り越えるにも、人との繋がりの大切さを身をもって感じておられるのが、強く伝わって来ました。陶山氏のその言葉の重みは、これまでたくさんの人と出会い、仕事をし、人を動かして来られた経験あってのものだと思います。「人生は偶然と必然がおりなす」という言葉にもありましたが、陶山氏がそうであったように、予期せぬチャンスを掴めるよう、このようなリーディング大学院のような機会を含め、自分から行動し、新たな世界へと積極的関わりに行き、時代を認識し、人と繋がって行きたいです。

(Texted by:RA6期生 早坂若子)

陶山茂樹氏
株式会社OE Solutions Japan 代表取締役
http://www.oesolutions.com/main/view/

昭和女子大学 理事長 坂東 眞理子氏「 公務員から大学へ」

2017年10月14日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、昭和女子大学の理事長・総長をされている坂東眞理子さんよりご講演をいただきました。

今回の講演では、坂東氏ご自身のキャリアパスについてお話しいただきました。坂東眞理子さんは、富山県出身で地元の進学校を卒業された後に、東京大学に進学し、大学卒業後、1969年に総理府(現在の内閣府)に入省しました。当時、女性が中央官庁に入省するのはまだ珍しいことでした。それは当時の日本の就職活動において、女性差別がまだ残っており、男子学生の採用が優遇されており、女子学生には能力があるにも関わらず、門戸が開かれていなかったからです。
その後、1975年に総理府婦人問題担当室(現内閣府男女共同参画局の前身)が発足した時に最年少の担当官としてその活動に参加され、1978年に日本初の「婦人白書」を執筆されていました。坂東眞理子さんは当時男性優位の職場の中で、婦人の地位向上に向けた施策の実現に果敢に挑戦されて来られた点が印象的で、今では当たり前になった両性の平等、性別にとらわれない自己実現といった理念は坂東氏等先達たちの努力のおかげであることが実感されました。
1980年より坂東眞理子さんはハーバード大学に留学され、総務庁統計局消費統計課長,埼玉県副知事、在豪州ブリスベン総領事、内閣府男女共同参画局長を経て、2003年に内閣府を退官されました。これらの多様なキャリアパスにおいて、それぞれの経験がいろんな形で生きたとのことです。現在理事長・総長を勤められている昭和女子大学においても、テンプル大学日本校を誘致するなど、新しいチャレンジを続けておられます。

日本社会において、男女間賃金格差や女性政治家の少なさなどの様に、男女格差がまだ存在している中で、それらを打破するための示唆に富むお話を多く伺いました。今後の日本社会において、人々が性別含め様々な障壁を感じることなく、各人の望むように働き、自己実現していくにはどうすれば良いのか、改めて考えるきっかけとなった有意義な講演でした。

(Texted by: RA6期生 法学研究科1年 丁飛)

坂東眞理子氏
昭和女子大学 理事長
https://univ.swu.ac.jp/guide/introduction/message_c/

Pacific & Atlantic PM Innovation代表 田中弘氏 「慶應義塾卒プロジェクトマネジメント界グローバル・プレイヤーからのメッセージ」

2017年10月7日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において,田中弘氏よりご講演をいただきました.

田中氏は本学法学部出身(1967年)であり,日揮株式会社にて本部長代行・子会社役員まで務められ,兼務で,日本プロジェクトマネジメント協会の創設者で代表を14年間並びに世界プロジェクトマネジメントフォーラム第3代会長,フランス,セネガル,ウクライナ,ロシア,日本の大学院教授を歴任されるなど実に様々なバックグラウンドを持っています.
田中氏は,これらの多様なキャリアに基づいて現在取り組まれている4つのプログラム,アカデミックとしての目標・信条,社会人3ステージ・キャリアの由来,そしてご自身が現在の日本の高等教育についてどのように考えているかについて熱意を込めてお話ししてくださいました.

現在,田中氏が取り組まれているプログラムは主に,
① 大学院教育プログラム
② 日本政府外郭団体主催海外人材育成プログラム
③ 世界PMコミュニティーとしてのコミュニティー貢献プロジェクト(世界大会での基調講演等)
④ 元指導学生等の研究者スタートアップ支援
の4つであると仰ってました.

田中氏は,大学院教育プログラムの一環としてフランスのグランゼコール SKEMA Business School,Ph.D./DBA Programme国際教授として博士課程の学生のご指導をされており,指導教授として5名のPh.D.を輩出されております.海外人材育成では,Program & Project Management Course Directorとして経営者・ミドルマネージャーの研修を2009年から実施されており,現在も継続しています.また,元学生の就職支援にも大変熱心に取り組まれており大学に教員として就職したい学生のための推薦状の執筆・コーチングにも注力されているとのことでした.PM理論におけるTeaching Professorとしては,世界トップ5に入る権威者であり,エンジニアリング&コンストラクションプロジェクトのPM理論研究のパイオニアとして現在も活動を続けられています.

田中氏は「何事にも挑戦することが大切である」と強く主張されており,ご自身の実に多様なバックグラウンドに基づいて,その重要性について熱弁してくださいました.田中氏のキャリアパスは一般的なキャリアパスとは大きく異なり刺激的なものであり,「プレイヤーとしての意識を持っている」と終始仰ってました.我々は現在大学院で教育を受けている身であるが,非日常的な環境に積極的に身をおく必要性があると強く感じました.

(Texted by: RA6期生 理工学研究科修士1年 黒部聡亮)

田中弘氏
Pacific & Atlantic PM Innovation代表
International Professor, DBA in Strategy, Program and Project Management Program, SKEMA Business School (France)
Dean, PhD Program, CASR3PM Graduate Academy (Senegal)
Professor of Honor, Kiev National University of Construction Architecture; National Shipbuilding University named after Admiral Makarov; Odessa National Maritime University (Ukraine)
国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学知識科学系非常勤講師(2017年5月まで客員教授)
公立大学法人岡山県立大学教育開発センター客員教授(大学院共通科目担当)
Course Director, Program & Project Management, The Association for Overseas Technical Cooperation and Sustainable Partnerships (AOTS)

東京インターナショナルスクール理事長 坪谷ニュウエル郁子氏 「教育は世界を変える」

2017年9月30日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、東京インターナショナルスクール理事長をはじめ、さまざまな教育機関や団体で役職を務められている坪谷ニュウエル郁子氏にご講演いただきました。

坪谷氏は学生時代から事業運営に創意工夫と行動力を発揮されるとともに、生きることについて深く考える中で教育の道に進んでいったそうです。その後英語学校であるイングリッシュスタジオの設立を出発点として、東京インターナショナルスクールをはじめとする教育機関や団体を立ち上げられ、現在まで幅広く教育活動に取り組まれています。活動を通じて立ち上げられた教育機関のひとつであるインターナショナルセカンダリースクールでは、発達障害を含め多様な生徒の個性に合わせた教育も行っていらっしゃいます。
インターナショナルスクールに通う生徒は、保護者の転勤等により複数の国々の学校で学校生活を送ることも少なくありません。そこで、どの国に行っても通用するカリキュラムとして坪谷氏が注目されたのが国際バカロレアです。
国際バカロレア (IB) は、まさに世界共通の成績証明書を実現することを当初の目的として開発された教育システムで、生徒を主体とした独自の全人教育が特色です。例えば、6つの領域を学ぶ小学校のプログラムでは、個別の事例としての「トピック」についての学習に留まらず、普遍性のある「概念」のレベルまで洞察することが求められるそうです。特にこの概念学習の考え方に関心を持つRAは多く、ご講演の最後には様々な質疑応答も交わされました。
坪谷氏は国際バカロレアの普及に長年尽力され、これまでに国際バカロレア機構の日本大使 も務められています。
坪谷氏の取り組みのひとつに、これまで欧米の数カ国語のみで受験可能だった国際バカロレアの卒業試験の日本語による受験の実現があります。実際に現在たくさんの科目が日本語で受験可能になっていますが、取り組みの理念として、言葉が文化と歴史を背負っていることや、経済事情や居住地域による格差をなくしていくことを挙げられていました。また、経済面についても支援の取り組みを進められており、徹底した課題解決中心主義を感じました。
さらに、教育再生実行会議の委員としての経験を交えつつ、日本の教育の問題についてもお話しいただきました。その中でも、全ての子供たちの能力を伸ばす、という実行会議の教育提言の理念を実現するために、発達障害等のある子供のための通級指導の予算獲得を実現して実態の改善に繋げられた経緯からは、坪谷氏の情熱と努力が伝わってきました。
日本の教育は人口規模に対して比較的高い学力水準にある一方、その背後には諸外国に比べても重い保護者の私費負担や先生方の負担があります。その中で、子供の貧困、発達障害を持つ生徒への個別支援の不足、日本語を母語としない生徒に対する補助の不足、学級内での学力差の問題といった現状も課題となっています。こうした課題について、教育に対して積極的な公的支出を行なっている諸外国の例も挙げつつ、坪谷氏は子育て・教育の充実こそがこれらの課題の解決に向けた「未来への先行投資」になると指摘されていました。また、これからの課題として、日本の大学の世界ランキングの低下が問題とされる中、その重要な評価指標のひとつである外国人学生の割合を改善するためには世界のインターナショナルスクールに対するアピールも重要になるだろうと述べられており、大学に属する者として世界規模で教育の将来を構想していく必要性に気づかされました。

ご講演の最後に、理念や目標の実現のためには、不器用であっても「できることを精一杯誠実に」やっていくことが大切であると述べられていたのは、きわめて現実的に多くのことを成し遂げられていらっしゃる坪谷氏の言葉だけに一層印象的でした。子供たちは私たちの未来であり、教育は未来を、世界を変えるチカラがある、という坪谷氏の思いを、それぞれの形で共有することができたように思います。

(Texted by: RA6期生 文学研究科修士1年 小関健太郎)

坪谷ニュウエル郁子氏
東京インターナショナルスクール理事長

東京インターナショナルスクール・アフタースクール
http://tokyois-as.com/