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2017年度 サマーキャンプ

日程:
2017年8月26日(土) ~ 8月27日(日)
場所:
丸紅多摩センター研修所
〒192-0363 東京都八王子市別所2丁目39番2

超成熟社会に対する提案コンペ

本年度のサマーキャンプでは、キャンプの事前に、9チームに分かれたRAが、超成熟社会に関する課題を抽出し、フィールドワークを行いました。そして、キャンプ当日、各チームが抽出した課題に対する解決策について、アドバイザーである教員やメンター、修了生とともに議論を行い、アイデアのブラッシュアップを行いました。提案コンペティションでは、提案書を日英で作成し、英語でプレゼンテーションを行いました。

優勝チーム

氏名 所属 学年
岡本翔平 経済学研究科  博士課程1年
小島康裕 商学研究科 副専攻修士課程1年
石川貴啓 商学研究科 副専攻修士課程1年
今給黎薫弘 理工学研究科 修士課程2年
丁 飛 法学研究科 修士課程1年

優勝アイデア

「障害者雇用促進及び改善」をビジョンとした提案を行いました。特に、就労移行・継続支援事業において、工賃の向上による福祉的就労の底上げをするために、民間リソースを積極的に利活用するソーシャルインパクトボンド(Social Impact Bond; SIB)を用いたスキームを提案し、ファイナルコンペで優勝しました。ソーシャルインパクトボンドとは、行政等が成果報酬型かつ社会課題解決型の委託事業を実施し、その事業に対して民間からの資金調達を行うもののことです。

  • チームメンバー(左から石川、小島、岡本、丁、今給黎)

修了生の座談会

2017年3月にリーディングプログラムを修了した修了生が、サマーキャンプに参加し、座談会を開催しました。修了生は、リーディングプログラムで過ごした5年間や職場での業務体験を振り返りながら、リーディングプログラムで学んだことや就職活動のアドバイスを語りました。

ファイナルコンペティション

メンター、教員からのコメント

ディスカッション

座談会の様子

集合写真

3大学合同報告会を開催

2017年8月8日(火)、専修大学(生田キャンパス)にて、認知症プロジェクトに参加する3つの国内大学(専修大学、青山学院大学、慶應義塾大学)による活動報告会を開催しました。各学生の発表後に、自治体連携先である川崎市や渋谷区の方とディスカッションを重ねました。
本リーディングプログラムの学生も、今年度の夏から秋にかけて、各解決策を川崎市等の地域の中で試行実施し、11月には実施結果の一部を発表する予定です。

参加RAの発表タイトル
平尾美佳 「認知症の人もクラブダンスで自分を解き放ち、ストレス発散と運動を!」
今給黎薫弘 「D-mark Project〜栽培キットを用いた新たなケアの提案〜」
角 晴美子 「みんなが訪問したくなる認知症カフェの普及を目指して」

  • プレゼンテーションの様子

    プレゼンテーションの様子

  • ディスカッションの様子1

    ディスカッションの様子1

  • ディスカッションの様子2

    ディスカッションの様子2

神奈川県知事 黒岩祐治氏 「夢を実現するチカラ」

2017年7月8日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、神奈川県知事の黒岩祐治氏よりご講演をいただきました。

今回は政治的なお話を離れ、黒岩氏ご自身のキャリアパスについてお話しいただきました。黒岩氏はキャスターとして活躍したのち政治家に転身なさるという特異な経験をしており、そのエピソードをユーモアを交えてお話しくださいました。
黒岩氏はキャスターと県知事という、一見共通点のなさそうな職種を経ていますが、その過程には一貫して、世の中の困っていることを解決したいという思いがありました。そのビジョンを達成するために形にとらわれず最良の状態を選択するという考え方は、今後の我々RAが自身のキャリアパスを考えるうえで非常に勉強になるものでした。
黒岩氏はキャスターを務める前に記者として活躍されていました。そのためキャスターになった際に上司から、自身は記者でありディレクターでありキャスターである、と言われました。ちょうどその時、救急隊が応急処置しか行うことができないということを知り、この改善のために自ら2年間取材をし、自身の担当するニュース番組にて特集を組んで報道されていました。その報道が功を奏し、救急隊が医療行為を行える救急救命士という資格を設立することが叶いました。
この資格の設立は、黒岩氏の“いのちをつなぐこと”という自身の原点となる思いから実現されたことでした。神奈川知事である今も、“いのち”、“マグネット力”が大切であるということを指針に活動なさっています。マグネット力とは、人を惹きつける力・魅力を表わす、医療の現場で使われる言葉だそうで、キャスター時代に医療機関と接する中で知った言葉だと仰っていました。そして“いのち輝くマグネット神奈川”の実現をミッションに現在奮闘なさっています。
黒岩氏は「人間はひとりひとり生まれながらにミッションをもっている。そのミッションにどこで気づくか」が重要であると仰っていました。そして夢を実現するためには、
1. ミッションを見つける
2. パッションを持つ
3. アクションする
ということが必要であると仰いました。

黒岩氏は、ミッションを見つけることは容易ではなく、ミッションが見つけられていなくてもおかしなことではないと仰いました。今後自分のミッションを見つけられた時、自分のパッションを惜しみなく注ぎ、恐れずにアクションをしていきたいと思いました。

(Texted by: RA6期生 理工学研究科1年 篠﨑紗衣子)

黒岩祐治氏
神奈川県知事 黒岩祐治オフィシャルウェブサイト
http://kuroiwa.com/

デルフト工科大学との国際交流および現地施設見学等

2017年2月、日本での認知症プロジェクトの成果を、デルフト工科大学の大学院生や教員へ紹介し、意見交換を行いました。そして、オランダならではの認知症施策の現場を見学し、取り組みを学びました。

RA:小林優一岡本翔平平尾美佳角 晴美子今給黎薫弘
訪問先:
1) Zorgboerderij Het Boere Erf(ケア農場・ブーラ農園)
2) Delft University of Technology(デルフト工科大学)
3) Hogewey(ホグウェイ)
4) Alzheimer Café(アルツハイマーカフェ)
5) VUmc Amsterdam(アムステルダム自由大学医療センター)
活動時期:2017年2月

1) Zorgboerderij Het Boere Erf(ケア農場・ブーラ農園)
 ブーラ農園では、認知症ケアの一環として農作業やお菓子作りなどを行っています。入居者が室内に閉じこもらないよう、室外栽培や牧畜を行い、栽培から収穫、販売も行っています。入居者の症状によって仕事を割り当てるのではなく、その人にできる仕事があれば、誰でも入居可能な施設です。日本ではまだ、農業とケアを組み合わせている施設は少なく、このような取り組みを広げて行くことが今後大切になると実感しました。
(RA5期生 理工学研究科 修士課程2年 今給黎薫弘)

2) Delft University of Technology(デルフト工科大学)
認知症プロジェクトの国際連携先であるデルフト工科大学主催の研究発表会へ参加しました。私たちは、認知症に関する日本の現状(特に、オランダと日本の平均寿命の違いや、認知症施策に関わるエビデンス)を紹介しました。そして、これまでの私たちの取組みとして、「書道セラピーを通じた認知症患者のコミュニティー創出」、「認知症カフェのプロモーション」、「ケアプラン作成プロセスの簡潔化」、「フェアトレード商品として農作物(D-mark)を栽培する」アイデアを発表しました。お互いの課題について、参加大学の学生に疑問を投げかけ、意見交換を行いました。
(RA3期生 経済学研究科 博士課程1年 小林 優一)

3) Hogewey(ホグウェイ)
Hogeweyは、認知症の人のための居住空間です。アーバンスタイル、コスモポリタンスタイル、ムスリムスタイルなど、多様な住居スタイルがあり、全部で23の部屋が用意されています。入居者は、これまでの生活背景に近い人同士数名でグループになり、お風呂や茶の間を共同利用しています。
私たちが訪問した住居では、3名の女性入居者が茶の間に集まり、それぞれの時間を過ごされていました。入居者はそれぞれ個室を持ち、自宅のような印象がしました。施設の人に話を聞くと、認知症の人が昔の家に帰りたいと言うことはあまりないそうです。その理由は、入居者が「ここが私の住まいである」と安心できているからとおっしゃっていました。重度の認知症と診断された人が、このように穏やかに、しかも残存能力を活かしながら生活している様子は、にわかには信じられませんでした。
このような保護された広い場所のない一般的な施設であれば、認知症の人が住居空間の外に出たいと言えば、それは徘徊リスクが高いとみなされてしまうかもしれません。しかし、Hogeweyには住居空間の他に、池や噴水やベンチがあり、スーパーやレストラン、映画館、芸術活動の部屋などもあります。
私は入居者の人にとって快適な環境を提供することは、必要なケアの量を減少させるかもしれないことに気づきました。日本における快適な環境は何か、これからの課題として考えていきたいです。
(RA3期生 健康マネジメント研究科 博士課程1年 平尾美佳)

4) Alzheimer Café(アルツハイマーカフェ)
私は日本で認知症の方々のQuality of Life を向上させるために認知症カフェを広めることに関心をもっています。認知症カフェを広めるには、どうすれば良いのかを探るため、先進的なケアが行われているオランダのアルツハイマーカフェを見学しました。
オランダのアルツハイマーカフェは、20年上以上前に設立され、誰でも認知症のことについて知りたい人、語りたい人が無料で参加できます。開催と同時にとても人気が出て、オランダ全土に広がり、今では250か所以上あります。メディアを通じて、認知症や認知症カフェを広く宣伝することで、オランダの人は認知症に対する”タブー”を乗り越えていきました。驚いたことは、Alzheimer Nederlandのウェブサイトに若い人々が興味を持ち、共感するようになったことです。
日本の認知症カフェと違う点は、オランダではアルツハイマーカフェがあくまでも情報を提供する場、話すことによって交流を深める場であって、働いたり工作をしたりするというアクティビティを提供する場ではないことです。日本の認知症カフェの良さを活かして、誰もが訪問したくなる認知症カフェのモデルを考えてきたいと思います。
(RA5期生 経済学研究科 修士課程1年 角 晴美子)

5) VUmc Amsterdam(アムステルダム自由大学医療センター)
自由大学医療センターでは、本センターで開発された認知症診断ツール”Observation List for Dementia: OLD”について学びました。”OLD”は、認知症の初期診断を行うための指標です。”OLD”を用い、従来、医師の診察だけで判断していた認知症の診断精度の向上を目指しています。実際、担当医が問題ないと判断した患者のうち、”OLD”によって約20%の患者に初期症状があると判定され、実際に認知症の診断が認められた事例もあるそうです。
このようなツールを導入することにより、精度の高い診断を行うことができます。本フィールドワークを通じて、社会の中でどのように認知症の問題に対処していくべきなのか、一端を垣間見ることができました。
(RA5期生 理工学研究科 修士課程1年 今給黎薫弘)

  • ブーラ農園

  • デルフト工科大学図書館にて

  • グーセンス先生による開会挨拶

  • 認知症プロジェクト成果発表会

  • 交流の様子

  • アルツハイマーカフェにて

  • アムステルダム自由大学医療センター

2016年度中間発表会(超福祉展、渋谷ヒカリエ)

2016年11月8日(火)、NPO法人ピープルデザイン研究所主催イベント「超福祉展」にてシンポジウムを開催し、6名のRAがこれまでの成果を発表しました。会場には、川崎市や渋谷区の自治体職員の方に多数お越しいただき、激励をいただきました。また、このシンポジウムには、大学連携先である専修大学と青山学院大学、国際連携先であるオランダのデルフト工科大学の学生もそれぞれの成果を発表し、交流を深めることができました。

慶應義塾大学 経済学部 津谷典子教授「現代人口と歴史人口–結婚の要因と比較分析」

2017年6月24日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、慶應義塾大学経済学部教授であり、厚生労働省の社会保障審議会の人口部会長など、政府の委員としてもご活躍されている津谷典子様よりご講演をいただきました。

今回は、津谷様のご専門である人口学に関連した内容でご講演をいただきました。超成熟社会の課題について考える我々にとって、人口の問題は特に関心の強いテーマであり、今回のお話は非常に勉強になりました。

津谷様は、シカゴ大学大学院で計量分析法を学ばれていた際、歴史人口のデータに触れ、歴史人口のセミナーを取ったことがきっかけで人口学と出会い、人口学をご専門にされました。また、シカゴ大学大学院では数理統計の必修単位の取得に苦労したけれど、数理統計は年を取ると学ぶことができないうえ、本を読んだだけでは身につかないため、当時やっていてよかったと話され、数理・統計を学生が学ぶことの重要性を伝えてくださいました。

人口学は医学、疫学、経済学、社会学、歴史学、数学など、実に多彩な分野の方の貢献により成り立っており、また、人口は世界規模のテーマであるため、実際に色々な地域に足を運び研究が行われます。津谷様はこれらの人口学の学際的、国際的な側面を、人口学をやっていたよかったこととしてあげられました。

また本講演では、近世と現代の日本における結婚の確率に寄与する要因について、実際の分析結果を示してくださいました。特に、男性は近世、現代のどちらにおいても経済的要因が結婚に与える影響が大きいという結果がとても印象的でした。このような人文・社会科学的な結果に対して、分析においてはCoxの比例ハザードモデルなど、専門的な統計の手法が用いられていました。この分析結果は、人文・社会科学的な素養と数理的な素養があわさったからこそ得られたものであるといえます。

津谷様は文系の素養、理系の素養をあわせもっており、まさに我々、このリーディングプログラムのRAが見習うべき存在であると感じました。津谷様の、英語力をみがき、そして理科系の院生は歴史を含む文科系の教養を、文化系の院生は数理・統計の素養を養う、という言葉を胸に、我々RAは今後の活動に取り組んで参ります。

(Texted by : RA6期生 理工学研究科1年 米山慎太郎)

津谷典子様

慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科 教員紹介
http://www.econ.keio.ac.jp/about/faculty-list#modal_5177

厚生労働省社会保障審議会(人口部会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126704

California Department of Public Health IAQ Program Chief 熊谷一清先生「海外で学ぶとは、海外で働くとは」

6月21日(水)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、California Department of Public Health IAQ Program Chief、熊谷一清先生よりご講演をいただきました。

我々日本人学生への啓発ともいえる講演である。熊谷先生は、本学リーディングプログラムにおいて実施される海外インターンシップでも、受け入れ先として大変お世話になっている。講演は、熊谷先生の我々に対する発議とそれによるディスカッションで活発に進んだ。海外で学ぶ、海外で働くとはどのようなことなのか。

本講義の滑り出しは熊谷先生の突然の質問だった。
「はい、では質問をどうぞ?」
会場は沈黙である。それもそう、まだ熊谷先生はほとんどお話されていない。
どういうことか。

続いて、熊谷先生が口を開く。
「皆が主体性をもち積極的にこの場に参加していれば、皆は聞きたいことだけを私から盗んでいけばよいだろう。質問がないならば、なぜ今ここにいる?」

その始まりは印象的であった。熊谷様が終始講演で強調したのは「能動的(Independent)、積極的(Positive)であれ」というメッセージである。例えば、スタンフォード大学で学ぶ学生は、講師の質を見極める。もし、レベルが担保されていない講義があろうものなら、学生から弾劾が下るような環境であるという。そのくらい、学生が「真剣」に臨むのである。
しばらくして、ちらほら質問が出始め、我々も「真剣」にその講義を聞き入った。

日本人はおとなしめで消極的なイメージであり、実際にその表現は的を射ていると思う。しかし、海外、特にアメリカでは「Who are you?」なのである。すなわち、文化的、民族的背景の全く異なる人々が一同に会し、勉強や議論、ビジネスを行うのが現代の国際社会、明確な意志表示をしなければその場にいなかったものと同じとみられる環境なのである。これはアドミッションの段階でもその特徴が表れている。すなわち、海外における履歴書、Resumeは定型的なフォーマットが存在しない。デザインが得意な人間であれば、そのデザイン力を生かしてもよいのである。本人の全てをあらゆる表現で示せるのがResumeであり、定型的な日本の履歴書しか知らないと海外で面喰うだろう。

熊谷様は、自身の海外の議論でのエピソードなどを以て、我々に積極的な議論参加の重要性を示してくれた。しかし、だからといって他に率先して喋りまくればよいというわけではなく、しかるべき時には明確な意志表示を、傾聴すべき場面ではしっかりと耳をすますことが重要なのである。
だが、総じて日本人は明確な意思表示が苦手である。これは集団主義に代表される日本人の文化的な一側面ではあるが、国際的なビジネスの文脈では暗示的な日本人特有のコミュニケーションは相応しくないだろう。
また、熊谷先生によれば、我々日本人が、英語での議論でうまく自分の意見を伝えることができないのを、英語の不堪能さのせいにする傾向があるという。しかし、実はそうではなく、そもそも伝えたいことがまとまっていないことが問題になっている場合が多いという。明確な意思表示をしない癖が習慣となってそもそも伝えたいこともまとめられないのは、そもそもの問題である。

また、日本人がよく陥りがちな組織の肩書への拘りについても、言及下さった。世界における大学ラインキングは様々な指標が存在し、その評価軸によって左右されるが、最も有名なWorld University Rankingで、慶應義塾大学は日本では11位、世界で600-800位である。熊谷先生は講演の中で直接サイトにアクセスし、その順位をスライドに示してくださった。このような順位では、「慶應義塾大学」の名は世界においてはほとんど知られていないだろう。日本の大学の最高峰に君臨する東京大学でさえも40位でこれでも世界的には有名とは言えないレベルである。つまり、世界においては、慶應義塾大学の肩書はほとんど意味をなさないのである。その中で、大学にいるメリットについて、熊谷様は「資源」「表現力-知識、語学、論理展開力」「仲間(ネットワーク)」を挙げられた。特に仲間の存在は最も大きなものになっているとの経験談をお話下さった。近年の専門領域の多様化と複雑化が進む社会においては、協力や提携こそが必要である。そのためにも、自分および自分のやりたいことを手短に、論理的に伝えられる能力が必須であろう。

様々な質疑応答と議論を経て、熊谷先生は最後に我々への激励を下さった。
やりたいことがない人へは、「与えられた場で精一杯やってみる」ことが大切であるという。物事の面白さはある程度やりこまないと意味がない。
そして、何より失敗することが大切である。
失敗しないのは進歩していないのと同等である。
-「No pain, No gain」
来年へのインターンおよび今後の研究活動に向けて、海外への意識が高まった貴重な講演であった。

(Texted by : RA6期 商学研究科修士課程1年 石田陽一朗)

熊谷一清氏
California Department of Public Health IAQ Program Chief,
Lawrence Berkeley National Laboratory Affiliate Scientist
東京理科大学 客員教授

スタンフォード大学 循環器科・医師 池野文昭先生「僻地医療からシリコンバレーへ! 日本を飛び出し16年、今だから言える 若き皆様へのアドバイス」

2017年6月17日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、池野文昭氏(Program Director (U.S) Japan Biodesign, Stanford Biodesign, Cardiovascular Medicine)よりご講演をいただきました。

池野氏は9年間,日本で僻地医療を含む地域医療に携わった後,2001年からスタンフォード大学にて研究を開始されました.現在までに200社を超える医療機器ベンキャーに関与し,多くの企業を成功に導いてこられました.現在は日本にもシリコンバレー型の医療機器エコシステムを確立するため力を注いでおられます.池野氏は,本講演前に「私の異国での経験を赤裸々に白状する.そして,自分の人生を考える糧にしてほしい.」と仰っていた通り,ご自身の経験,成功,失敗,そこから学んだことなどを時間の許す限り熱意を込めてお話ししてくださいました.

池野氏はスタンフォード大学に留学した際のミッションであった
1. 世界中に友達を作りなさい
2. 日本の将来を一生懸命考えなさい
を今も心に抱いて活動しておられ,世界中の一流の研究者,起業家,投資家らと共に,世界を飛び回り日本の医療機器エコシステムの確立に尽力されています.池野氏の講演はユーモア溢れるお話の中にも,池野氏が僻地医療で,アメリカの医療現場,研究現場で,また様々な企業と関わる中で感じたこと,学んだことが散りばめられ,グローバルリーダーを目指す我々RAにとって非常に興味深く,学ぶべきことの多い内容でした.

また,最後に本プログラムについて,プログラムの発展は学生のモチベーションに依存すると仰り,全てのRAにとって激励の言葉となりました.

(Texted by:RA6期生 理工学研究科1年 鶏内朋也)

池野文昭氏
Program Director (U.S) Japan Biodesign, Stanford Biodesign, Cardiovascular Medicine
MedVenture Partners取締役チーフメディカルオフィサー HP
http://www.medvp.co.jp/member/

2016年度インターンシップ派遣

2016年度末(2017年2月5日~3月31日)に米国、サンフランシスコ周辺に11名のRA5期生を派遣しました。地元のNPO、NGO、企業等で5週間の異文化体験にチャレンジしたことで、ひとまわり逞しくなって帰国しました。

No. RA氏名 ホストカンパニー
(米国・サンフランシスコ周辺)
出発 帰国
1 中島 由勝 Oakland Digital 2017.2.5 2017.3.12
2 宮本 佑 The U.S. Department of Energy 2017.2.5 2017.3.12
3 氏家 慶介 Eviction Defense Collaborative 2017.2.5 2017.3.12
4 水口 高翔 California Department of Public Health 2017.2.12 2017.3.19
5 角 晴美子 Universal Giving 2017.2.24 2017.3.31
6 久保 友理恵 Elizabeth Gamble Garden 2017.2.5 2017.3.12
7 今給黎 薫弘 East Bay Asian Local Development Corporation 2017.2.24 2017.3.31
8 香西 孝司 The 1947 Partition Archive 2017.2.5 2017.3.12
9 池本 駿 College Track 2017.2.5 2017.3.12
10 野口 遼太郎 Breathe California 2017.2.5 2017.3.12
11 横倉 瑳之 Japan Society in SF 2017.2.5 2017.3.12

RAの感想

オークランドに位置するIT企業でのWebサービス開発を通し、その意思決定の速さからシリコンバレーのダイナミズムを身をもって知ることができ、また、多様性の高いチームのマネジメント術の一端を習得できたという点で非常に貴重な体験となりました。(中島 由勝)

1ヶ月の英語生活と職業体験は、様々な面で自分を成長させてくれました。最初は挫折で悩む日々でしたが、その後は今自分にできることをよく考えて行動することで自分の道を切り開く感覚を味わうことができたのが特に印象に残っています。(宮本 佑)

日本人一人の環境で働くということは、愉しいことよりも大変なこと辛いことの方が多かった。しかし、その分、日本にいる時以上に挑戦し、人生を考えるとても貴重な経験になった。今回の経験、そして一緒に過ごし乗り越えたRA同期との絆は宝である。(氏家 慶介)

私はカリフォルニア州の研究機関で勤務しました。振り返れば出会いに恵まれた5週間だったな、と。勤務先のインターン生から刺激を受け、現地で活躍する日本人には勇気をもらい…。そして何事も恐れずに“挑戦する”こと―世界で活躍するための核となるマインドを学びました。(水口 高翔)

今回のインターンシップではアメリカで働くこと、そして日本ではなかなか出来ない色々な国の人達と関わり合うという大変有意義な異文化交流を体験できました。これらを生かし、数々の新しいことに挑戦していきたいです。(角 晴美子)

インターンシップを通して、ネットワークの構築と仕事をするという意味を経験することができました。自らコミュニケーションをすることで、仕事が生まれ、広がることが学べたのが大きな収穫でした。とても有意義な経験ができました。(久保 友理恵)

非常に充実し、かつ学ぶことの連続でした。これを乗り越えたことは自分にとって大きな自信になり何事にも挑戦する姿勢の礎になっております。インターンシップへ派遣してくださった皆様には感謝の念に堪えません。本当にありがとうございました。(今給黎 薫弘)

今回の派遣で私は、メインである異文化環境での就労のほか、現地のUC Berkleyの活動に参加するなど多くの経験を積むことができ、言語力を含むコミュニケーション能力の向上など、当初設定した目的に関わる多くの気づき、成長を得ることができたと感じています。(香西 孝司)

私はCollege Trackという貧困層の中高生の大学進学・卒業を支援するNPOで働きました。業務や生徒との交流を通じて経済格差と教育に根付く問題を肌で感じ、現在日本で行われている教育無償化議論にますますの関心を抱いております。(池本 駿)

職場の皆さんに非常に親切に仕事を教えて頂き、ビジネスの場でのコミュニケーションの取り方や日系アメリカ人の方々との出会いなど、貴重な経験をさせて頂きました。今後さらに英語力の向上に努めたいと思います。(横倉 瑳之)

慶應義塾大学 政策・メディア研究科 高橋 秀明特任教授 「キャリアは創られる、No Matter What!」

2017年6月3日(土)、本プログラムの活動拠点である日吉西別館において、現在慶應義塾大学政策・メディア研究科で特任教授を務められている高橋秀明氏よりご講演をいただきました。

髙橋氏は慶應義塾大学工学部修士号取得後、アメリカへ渡りニューヨーク州立大学でコンピュータサイエンス修士を取得されました。その後は米国NCRに入社し、日本NCR会長、米国NCRコーポレーション上席副社長、富士ゼロックス代表取締役副社長、FXパロアルト研究所会長を歴任されました。現在は慶應義塾大学政策・メディア研究科で特任教授を務められている他、国立科学博物館の経営委員を勤められるなど多種多様な分野でご活躍されています。

高橋氏は「キャリアパスというのは意図して創るものではなく人との出会いによって創られていくものだ」と仰っていました。ご講演の中では御自身がこれまで歩んできたキャリアパスがどのように、どんなきっかけで形成されてきたのか、これまでの人生の転機、それをもたらした人々との出会いについてお話くださいました。

高橋氏は「これまで人との出会いに触発されて、やったことのない様々なことにチャレンジしてきた」と仰っています。その言葉通り、これまでエンジニア、マネージャー、工場長、営業、事業会社のリストラ担当、社外取締役、大学教授など多岐に渡る様々な仕事に携わってこられ、どの分野でも大きな成功を収めておられます。驚くべきことは、そうした仕事のほとんどは今までやってこともないまったく未知の分野であったということです。最初は不安や不満を感じても、好奇心に従いどんな分野でも積極的に挑戦してきたことが今につながっていると髙橋氏は語っています。

とにかく多種多様な分野で成功を収めてきた高橋氏ですが、これまでに起こった人生の転機はすべて人との出会いから始まったそうです。「キャリアパスは自分だけでは創れない。人の助け、示唆が必要。だからこそ転機がおこりそうなところへ身を置くことが大切。」と高橋氏は言います。また、人との出会いと同じくらいに自分が好きだと思うことに対して、とにかく「努力」することが大切だと。「負けるな!怯むな!挫けるな!の精神で普段の努力、不断の努力を続けていくことが、自分の運命に影響できる唯一の方法!」という力強いメッセージを私たちに伝えてくださいました。

高橋さんのおっしゃっていた「何事にもチャレンジする!」という心構えは、我々RAにとっても非常に大切な考え方だと言えます。一つの分野に凝り固まることなく、常に新たな分野への挑戦を恐れないことが、素晴らしいキャリアパスを創るための道標となるのでしょう。

(Texted by : RA 6期生 理工学研究科 修士1年 八木 賢太郎)

髙橋 秀明 氏

慶應丸の内シティキャンパス 講師紹介HP
https://www.keiomcc.com/faculty/teacher/takahashihideaki.html

オリックス 役員情報HP
http://www.orix.co.jp/grp/company/officer/profile/h_takahashi.html

福岡銀行(株) 役員紹介HP
https://www.fukuoka-fg.com/company/executive